「タローとサトウさんが兄弟なんてびっくりだ……」
「あはは。リュータの驚いた顔、すごく面白かったよ」
「……そんなこと言うなよ」
「ごめんごめん」
ニコニコと太陽のような笑みを浮かべているタロー。
確かにその笑顔はどことなくサトウさんと似ている。第一印象がまずそうだった。
「でもタロちゃんも帰ってくるなら言ってくれればいいのに……」
「だってユウを驚かそうかと思ってたんだ。でもあんまり驚かなかったしなぁー。あんま嬉しくない?」
「そんなことないよ。すごく嬉しいよ」
「だってサトウさん、さっきからずっと笑顔のまんまだしね」
「そ、そうかな?」
でも、二人の笑顔は微妙に違う。
タローが太陽のような笑顔なら、サトウさんは花のような笑顔だ。
俺も初めて見る俺といる時とは違うサトウさんの笑顔。
少しだけ、タローにやけた。太陽なだけに。
「なぁ、リュータ」
「ん?」
「ぶっちゃけさ、ユウってどう?」
「ど、どうって?」
「なんていうか……男なのに男に言い寄られてるでしょ? 特に極太眉の人に」
「……DTO?」
「うん。オサムっち、俺がまだこっちいた頃からユウのこと狙ってたっぽいから」
「マジで!?」
「マジ。それが一番心配だったんだよね」
「……手は出してない、と思いたい」
「リュータもユウのこと好きだから?」
「うん……って!? な、なんでわ、分かったんだよ!?」
「リュータ、どことなく昔のオサムっちに似てるから」
「……マジで?」
「マジ」
「い、嫌だー!!」
「大丈夫、眉は太くないから」
そう言ってタローはまた笑顔を向けた。
それを見たらなんか問い詰める気とかなくす。
やっぱり二人は兄弟なんだなぁ、ってまた思った。