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イチゴミルクの味









プリンは最近変なのです。
ある人を見ると、
ムネがキューっとなってしまうのです。
顔まであつくなって、
ドキドキしてしまうのです。





そう、プリンは恋をしてるのです。





 いつも賑やかな、みんなが住む、スマデラハウス。
 今日は、一人でお留守番。
 でも、もうそろそろ、スマデラをやりに行ったみんなが帰ってくる頃。
 あの人も帰ってくる時間。
「ただいまー!」
 真っ先に聞こえた、あの人の声。
 赤毛で、とっても綺麗な青い瞳をしてて、かっこいい、彼。
「おかえり〜♪ロイちゃん」
 大好きな、彼の名前を呼んで、プリンのムネはキューってなる。
「みんなは?」
 いつもならいるはずのみんなが、後から来ない。
「いやぁ〜、マリオがさ、『次、ジャングルガーデンだ!今日は夜通しスマデラだぁ!』なんて言ってさぁ。
みんな行っちゃった。オレ、もうくたくたでさぁ〜」
 ロイちゃんは、そういうとふかふかのソファーに倒れるように座った。
 すっごく疲れてるんだね…。
 でも、考え直して、プリンは顔が真っ赤になりそうでした。
 だって、今、
 プリンはロイちゃんと二人っきりなんだもん。





「でもさぁ、みんなひでぇよな。プリンが一人で留守番してるのに、行っちゃうなんて」
「ぷり!」
 一瞬、コップを落としそうになっちゃった。ロイちゃんに気づかれなくて良かった。
 だって、ロイちゃんがプリンのこと、心配してくれたんだもの。
「…まぁ、留守番してるのも知らなかったオレが言える義理でもないんだけどね」
 そう言って苦笑いするロイちゃん。こんな顔もプリンは好き。
 ロイちゃんの目の前に、入れたれの紅茶と苺のショートケーキを置いた。
 すると、ロイちゃんはすごく明るい笑顔を見せてくれる。
「うわぁ!オレ、ハラペコだったんだ!いただきま〜す♪」
 こういう、子供っぽいロイちゃんも、プリンは好き。
「…なぁ、立ってないで座ったら?」
「え、あ、うん」
 思わず、プリンは、ロイちゃんの隣に座っちゃいました。





 ケーキも食べ終わって、紅茶を飲み終える時、
 どうやらプリンは、ロイちゃんの顔をずっと見てたみたいで、
「あ、もしかして、クリームついてる?」
 なんて、言われちゃって。
「ち、違うの!ロイちゃんの瞳、すっごく澄んでて、とっても綺麗って思って…」
 言った瞬間、プリンの顔は真っ赤になってしまいました。
 だって、本当に思ってたこと、言っちゃった…。
「…プリンの方が綺麗だよ」
「ぷり?」
 ロイちゃんは小さい声で何か言った。
 すると、ロイちゃんはプリンのこと、じっと見つめてきたの。
 ムネが、ドキン、ドキン、ドキンって、ここで跳ねちゃいそうになった。
「プリンの方が綺麗だよ。おっきくて、純水みたいに澄んでて、優しくて、可愛くて」
「ロ、ロイちゃん?」
 今まで見たことがない、間近で見る、ロイちゃんの優しい笑顔。
 プリンのムネは、ドックン、ドックン、って、ロイちゃんに聞こえちゃいそうなぐらいで。
「なぁ、その、ロイちゃんって言い方やめて欲しいな。ロイ、でいいんだって」
 ロイちゃんはそう言った。
 プリンは、こくこくと、うなずくぐらいしかできなかった。
「じゃあ呼んでみてよ」
「……ロ…ロイ…?」
「うん。上出来♪」
 すっごく緊張した。
 こんなにも、緊張したのは初めてかも…。
「…これって苺の飴?」
「え…あ、そ、それは、イチゴミルク飴」
 ロイちゃ―ロイは近くのバスケットに入っていたイチゴミルクの飴を一つ、頬張りこんだ。
 よほど、甘いものが好きなんだなぁって、思う瞬間だった。
「…プリンもいる?」
「うん、なめる♪」
 そう言って、バスケットから飴を取ろうとした時だったの。
 ロイは、プリンの腕をつかんで、バスケットから離れさられたの。





 ロイは、なぜかプリンの両肩をつかんだの。
 プリンにはよく分からなかった。ロイが、何をしようとしているのか…。
 すると、ロイの顔がどんどん近づいてきて―――
「!」
 イチゴミルクの甘い香りと一緒に、ロイの顔が目の前にあった。
 唇には柔らかくて、あったかい感覚がして…。
「んっ…!」
 ロイに急に抱き寄せられたかと思うと、唇の間から、こじ開けるように、甘い何かが入ってきて…。
 熱い何かと一緒みたいで、
 プリン、どうなっちゃってるの…?
 気が付けば、熱いものはなくて、口の中には甘い、イチゴミルクの味がして。
 ロイは、プリンを放すと、いつもより明るい笑顔でこう言ったの。
「ごちそうさまでした♪」
 それと同時に、玄関の方から、ガチャリと音がしたの。





「もう、マリオったら!プリンのこと忘れてるなんて!」
「そういうピーチだって忘れてたじゃないの…」
 でも、ピーチ姫とサムスが気づかなければ、僕らは今頃、
 ロイとプリン、二人っきりであの広い屋敷に留守番させていたことになる。
 僕らが帰ってきたことが分かったのか、ロイが姿を見せた。
「おかえりー♪みんな!」
「ロイ、プリンに迷惑かけてないだろうね?」
「酷いなぁ、マルス。オレ、もう子供じゃないもんなぁー♪」
 ロイはそう、よく分からないいうと、自分の部屋に戻っていった。
 疑問に思ったが、その答えはすぐ出た。
「プリンお姉ちゃんが真っ赤な顔して固まってるぅーー!!」
 ピチューの大声で答えは確信になった。
 …ロイ、君って本当に分かってない気がする…。



 翌日、ロイとプリンがラブラブしてたのに、
 最初に気づいたのはピカチュウでした。
 ピカチュウは大泣きして、ベットにふさぎこんでましたとさ。






 
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あとがき
初のロイプリ小説です。
ロイってば大胆w(そうしたのは私ですが(爆
実際どうなんだろうか。
スマデラはカップリング考えるのにはもってこいです、擬人化は(待


2004/11/21修正