BGMをつけたい場合は再生してください。
ぎゅーっと
コツ、コツ、コツ
ぱたぱたぱた
ふたつの足並みのちがう足音。
前にいるその人は歩いているのに
後ろからついてくるその子は走っている。
コツ、コツ、コツ
ぱたぱたぱた
何気なく歩いているふたり。
それはまるで親鳥とちいさなひよこ。
歩みを止めない親。
必死で追いつこうとするひよこ。
パフッ
前にいたその人は急に止まって
勢いあまったその子は、その人の背中に受け止められる。
その人が振り向こうとしたときには
その子はその人にひっついていた。
ほそいその腕でぎゅーっと
ちからはそんなにつよくないけれど
もう、はなさないもんって、ぎゅーっと。
「…カービィ?」
「ぽよ?」
おとこのこなのか、おんなのこなのかわからない
ピンクの髪をしてかわいらしい
ちいさなその子は
自分のなまえを呼ばれて
上をみた。
みえるのは
仮面をかぶって
ふかい青の髪をした
背のたかい青年の顔。
「…何か私に用か?」
「ぽよっ」
その人はこまって
おもわず笑みをこぼした。
その子はまだちいさすぎて
“ぽよ”としかいえない。
それはわかっているのに
はなしかけてしまう。
返事はたったひとこと。
「ぽよ♪」
さて、どうしたらいいものかと
その人はその子のあたまをなでる。
その子はなでられて
とてもしあわせそうなほほえみをこぼして
もっと、ぎゅーっとだきつく。
「…放してくれないか? 歩けない」
「ぽよぉ…」
その子はさみしいといってるのか
顔をぐりぐりとうずめたまま
けっしてはなそうとはしない。
ほそくてちからのない腕で
必死になってぎゅーっと。
「参ったな…」
こまりはてたその人は
どうすればいいかと悩みはじめる。
ただをこねるその子を
無理やりひきはがして置いて逃げることはできない。
「ぽよっ!?」
きゅうにその子のからだがういた。
びっくりしたその子は
おもわず目をぱちくりさせる。
目のまえには
だいすきな
だいだいだいすきな
その人の顔。
仮面で素顔はみえないけれど。
「これなら満足だろう?」
その人はその子をだきあげ
やさしくかすかにほほえんで。
その子はその人のむねにぴとっと
顔をくっつけてあまえて。
「全く…」
その人は
ふわふわで淡い色の
その子の髪に
やわらかいキスをひとつ。
また歩き始めて。
足音はひとつしかきこえないけれど
そこにはちゃんと
ふたりいる。
ぎゅーっと
距離のない
ふたりがいる。
あとがき
自分で書いてて萌えてました(待
顔がニヤけっぱなし(笑
叫びたいです。
メタカビ萌えぇぇぇ!!!(ぉぃ
2004/11/21修正