慣れてしまったその行為。
触れられることも、あんなに嫌がっていたのに。
今では自分から誘うことも少なくない。
分からなかった感覚も、今ではちゃんと受け入れて。
けれども、また新たな疑問が脳裏に浮かぶ。
「……なぁ、ジェノ」
まだ火照っている体を寄せて、相手を見つめる。
「……どうした、デリック」
相手は行為の最中でも、そのゴーグルだけは外さない。
だから今彼が自分をどんな目で見つめているのか、ギガデリックには分からない。
でもうっすらとだけ、その瞳が蒼い色をしているのが分かる。
「たまには外せよ、それ」
「本当に言いたいのはそんなことじゃないだろ?」
なんでそう、言うかな。
ジェノサイドには何故か大概のことはバレてしまう。
それだけ自分が彼に気を許しているのか、彼が鋭いだけなのか。
今、気にすることではないのだが。
「……訊いてもいいか?」
どうぞ、とでも言うように、ジェノサイドはギガデリックの前髪をいじくる。
それとは逆に、ギガデリックは真剣な目つきでジェノサイドを見る。
「ジェノは、なんでヤるの?」
突拍子もない質問にジェノサイドは思わずきょとんとした。
けれど、ギガデリックは答えを待ち望んでじーっと見つめていた。
「……どういうことだ?」
「女とヤるならともかく、男のオレとなんでヤるのかって訊いてんの」
「……気持ちいいから?」
「だったらオレとじゃなくてもいいだろ。てか、なんで疑問系なんだよ」
鋭く追及してくるギガデリックに、半分は困惑、半分は微笑ましいような気持ちをジェノサイドは感じた。
ふぅ、とわざとらしく溜息をつくとギガデリックの頭を撫でた。
「そういうデリックは、どうなんだい?」
「……ジェノだから」
「ほう?」
「ジェノになら、触られても、キスされてもいいと思ったから」
普段は頭を撫でると怒るのだが、こういう時は何故か怒らない。
そのまま手入れなどされていない黒髪を撫でていると、ギガデリックが顔を近づけてきた。
「ジェノはどうなんだよ」
「……俺は――」
するとジェノサイドはおもむろにゴーグルを外した。
ギガデリックは驚いて素顔を見ようとするが、気づいた時には相手の顔はもっと近づいていて、唇に柔らかいものが当たっているの気づく。
すぐにジェノサイドはすっと顔を離してギガデリックの顔を見つめるが、彼の思考は一時的に麻痺していた。
「足りないから」
「足り、ない?」
「そう……欠けてしまった自分が足りないって喚くから」
そう言ってギガデリックを見つめる目は暖かくもなく冷たくもない眼差しをしていた。
見ているけれど、見てない。そんな瞳。
「……キラー?」
「その名前で呼ぶな」
喰らい付くようなキス。
ああ、また怒らせてしまったな
少し後悔しながら、また繰り返される行為にギガデリックは身を委ねた。
第二ラウンドは書く予定はありません(何
2005/08/21 幸ゆきな
2006/02/20 加筆・修正
ジェノの口調や一人称が気に食わなかったから(待