久々に一人で過ごす暇な時間。自分の部屋、自分のパソコンではのんびりネットの海へ。
 そういえばメールが溜まってるかもとメールボックスを開けようとした瞬間、何かのウィンドウが開いた。

「!!?」

 まさかウィルス!?と凝視するや否やそこに映った知人の顔を見て思わずほっと胸を撫でおろした。

『やっと繋がったであります』
「もう、エグゼ君ったら驚かさないでよ……」
『失礼しました!』

 ビシッと画面の中で敬礼をするエグゼ。しかし彼は普段違うパソコン内にいて、やっと繋がったと言う当りではどうやらハッキングか何かで無理矢理のパソコンに繋いだのだろう。

「何か用でも?」
『はい。ある人物に頼まれ、殿にいくつが質問があるであります!』



『好きなデザートはなんでありますか?』
だよ」
『好きな音楽のジャンルはなんでありますか?』
「うーん……かな」
『最後の質問であります』
「うんうん」


『好きな男の人は誰でありますか?』


「……エグゼ君」
『はい、なんでありますか?』
「その答えって、その頼んだ人に教えるんだよね?」
『そうであります』
「……だったら、その頼んだ人物が誰か教えて」
『それは無理であります。極秘であります』
「じゃあ答えない」
『それは困るであります!』
「私だって困るわよ!」
『お答え下さらないのであれば、このエグゼ、殿のこのパソコンに居座るであります!』
「うっ……」

 その方が困る。何せの家にはこのパソコン一台しかないうえに、仕事のメールとかもこのパソコンの中だ。別のパソコンを買い換えようにもそんな贅沢は今のにはできない。

「……名前じゃなくて、どんな人かでもいい?」
『特に名前でとの指名はないため、大丈夫であります』

 ふぅと思わず、本日二度目の安堵の溜息。

「その人は見た目悪そうな感じでも、実はすごくいい人で」
『ふむふむ』
「すっごく強いんだ。この間、ゴロツキに絡まれた時すぐやっつけちゃってね。
 おしゃれだし、性格も兄貴って感じでいいんだけど……女性には誰にでも優しくするからねぇ……」
『浮気性なんでありますか?』
「いや、そうじゃないと思うんだけど……思いたいけど……ってエグゼ君そんな言葉どこで覚えたの?」
『村雨殿が先日、“鎖は浮気性っぽいから困る”と愚痴をこぼしていたのであります』
「……あ、そう……」
『以上で終わりですか?』
「あ。あとね――」






『で、最後の質問でありますが、名前では教えてくれなかったであります』
「……なんで名前で聞かなかったんだ?」
『鎖殿は名前で聞いてこいとは指名しなかったであります』
「……まあいいけどよ……どんな奴?」
『見た目は悪そうな感じでも実は凄くいい人で、凄く強い人だそうです。
 殿が悪漢に襲われた時助けてくれたそうであります』
「へぇ……」
『それとおしゃれで兄貴という感じの性格だそうです。でも女性には誰にも優しくするのは殿としては芳しくないようであります。
 それについては浮気性かとお聞きしたところ、“そうじゃないと思いたい”と仰っていたであります』
「お前、変なところ余計に訊くな……まぁ、ありがとな」
『あ、まだ続きがあるであります!』
「ん?」
『“それでも、そういうところ全部が好き”と仰ってたであります!以上であります』
「……そっか」
『しかし、鎖殿』
「ん?」
『その殿がいう好きな男性というのは、まるで鎖殿みたいでありますね!』
「……」
『……』
「おい、エグゼ」
『なんでありますか?』
「つまりはおまえ、俺が浮気性とでも言いたいのか……?」
『い、いいえ、決してそのような――や、やめて下さい! 自分は高圧電流には弱いんでありますよーーー!!!』





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突発的即興ギャグ夢小説でした。
エグゼと見せかけて実は鎖×主人公(二人とも一方通行?)
決して鎖君は浮気性というわけではございません(笑